組織情報

特定非営利活動法人日本ホタル再生ねっとの組織情報をご案内いたします。

当法人は、ホタル再生に関する情報収集・提供事業、ホタル再生の普及及び啓発活動、ホタル再生による地域づくり事業、ホタルを指標とする環境保全に関するコンサルティング事業、ホタル再生ネットワーク支援事業、ホタルを通した子供への環境教育事業、ホタルの調査・研究事業を行うことにより、人と自然が共生し、人々の生活の質が高められる暮らし方を実践し、その成果を社会に発信し、ホタルが飛び交う美しい自然の原風景の再生を目指した地球の環境保全と地域の個性あるまちおこしに寄与することを目的に令和3年に設立されました。

ごあいさつ


私たち人間は、地球の豊かな自然環境の中で多くの生き物と共生し、今日の文明を築いてきました。しかしながら、20世紀になって科学・技術の急激な発展によって、社会は大きく様変わりし多くの生き物が地球上から絶滅しました。21世紀はホタルを始めとする多くの生き物と共生できる、環境に配慮した社会を構築することが求められています。 

 

 このたび、特定非営利活動法人日本ホタル再生ねっとを設立いたしました。本法人はホタルの伝統文化を継承し、地球温暖化などの環境問題の解決に取り組み、安心・安全な社会の構築を目指します。過疎化した美しい里地・里山でのホタルの再生と地域おこしを目指す全国組織の団体です。ホタルが飛び交う環境は、日本の原風景として日本の初夏の風物詩となっています。河川を乱舞するゲンジボタルは、幻想的な世界を作りだし、日本人の心に感動を与えてきました。また、農薬を散布しない田んぼには、ヘイケボタルが飛び交い、食の安心・安全な環境保全型農業のモデルとして期待されています。

 

    本法人の活動は、里地・里山のホタル再生、ホタルの飛び交うまちづくり、川や田んぼにホタルが舞う環境づくり、子供たちへのホタル学習塾の開講などに向けられ、その活動は全国に発信します。本法人はホタルの再生を通じ、ホタルの伝統文化を継承し、地球環境の保全に努めます。また、本法人は、環境に配慮した社会の構築のために、2015年に国連が採択した17項目の持続可能な開発目標(SDGs)の達成に寄与することを目指しています。

 

 本法人の設立趣旨にご賛同いただき、何卒ご協力とご支援の程、お願い申し上げます。

 

2019年11月

特定非営利活動法人

日本ホタル再生ねっと

理事長 草桶秀夫

NPO法人 日本ホタル再生ねっとの設立までの背景


ホタルは初夏の風物詩として昔から日本人に親しまれており、日本のホタル伝統文化を築いています。しかしながら、今日美しい里地里山にホタルが舞う原風景が消えつつあります。里地里山にホタルが舞う地域づくりは、過疎化した日本を再生することに繋がります。特に、田んぼにホタルが飛び交う環境づくりは、無農薬による食の安心・安全な米づくりを進めるものであり、環境保全型農業のモデルにもなっています。国際連合では持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals、略してSDGs)を提唱していますが、このSDGsには17項目の持続可能な開発目標が取り上げられています。本法人の活動はこの17項目うち11項目が当てはまり、国際的な視点からも本法人の設立の必要性に至ったものです。

 

本法人の活動は、日本におけるホタルの調査・研究に関わる個人・団体ばかりでなく、ホタル再生と地域づくりに関心のある一般市民の参加によって、地球の環境保全と地域の発展に寄与することを目的に、『ホタルの再生』と『地域づくり』を推進し、日本のホタル伝統文化を継承することです。

 

本法人ではホタル再生と地域づくりを推進することによって、日本全国にこの輪を拡大して、多くの仲間たちを集め広くオープンな活動を展開していくために、社会に認められた非営利活動を行う法人格を取得したもので、私たちの活動がより多くの地域そして人々に受け入れられるものと考えるに至りました。

NPO法人 日本ホタル再生ねっとの目的


この法人は、ホタル再生に関する情報収集・提供事業、ホタル再生の普及及び啓発活動、ホタル再生による地域づくり事業、ホタルを指標とする環境保全に関するコンサルティング事業、ホタル再生ネットワーク支援事業、ホタルを通した子供への環境教育事業、ホタルの調査・研究事業を行うことにより、人と自然が共生し、人々の生活の質が高められる暮らし方を実践し、その成果を社会に発信し、ホタルが飛び交う美しい自然の原風景の再生を目指した地球の環境保全と地域の個性あるまちおこしに寄与することを目的とするものです。

 

《目的を達成するために、以下の種類の特定非営利活動を行います》

  1. まちづくりの推進を図る活動
  2. 観光の振興を図る活動
  3. 農山漁村または中山間地域の振興を図る活動
  4. 環境の保全を図る活動
  5. 子どもの健全育成を図る活動

《目的を達成するために、以下の特定非営利活動に係る事業を展開します》

  1. 里地・里山の多様性保全とホタル文化に資する普及啓発の情報発信事業
  2. ホタルに関する地域コミュニティーづくり、人の交流、イベントの企画・運営事業 
  3. ホタルに関する調査研究、コンサルティング、子供の環境教育の講師派遣事業

本法人が目指す地球規模の環境的・社会的問題解決のための10項目の取り組み


本法人は、以下の10項目からなる環境的・社会的問題の解決に向けた活動に取り組んでいます。

 

1.農薬の環境・人への影響

農薬の使用は、農産物の残留農薬という点から危惧され、環境にも負の負荷を与えます。農薬を使用しない田んぼは,ヘイケボタルをはじめ、多くの生き物が住みつき、農薬の影響のない安心・安全な米づくりが可能となります。

 

2.地球温暖化

田んぼを常に灌水状態にし、水による冷却作用によって地球の温暖化防止につながります。

 

3.田んぼの干ばつ化

稲刈り時や冬場の田んぼの田んぼの乾燥は、田んぼから多くの水生生物が姿を消しています。田んぼを灌水状態にしておくことによって、ホタルをはじめ多くの生き物がすみ、人と自然が調和した環境が保全されます。

 

4.河川の大洪水

ゲンジボタルが住めるような環境に配慮した河川工事は、大雨による大洪水の防止につながります。

 

5.河川の汚染

ホタルの住める河川は、工業廃水や生活排水で汚染されないきれいな水が保たれ、水環境の保全につながります。

 

6.森の破壊

木の伐採は、はげ山となった山から土砂や土が川に流れ、大洪水の原因となっています。里山に陸生ホタル(例えば、ヒメボタル)が住む環境は、自然の森が残り、大洪水を防ぐことが可能となります。

 

7.農薬散布による生き物を敵とする効率的生産主義

現代の農業は、農薬散布による生産性向上と大型機械による効率的生産が主流です。里地里山での環境保全型農業は、安心・安全で付加価値のある農産物の生産につながります。特に、田んぼにホタルが舞う米づくりは、ホタル米としてのブランド化につながり、地域づくりとしての役割を担います。

 

8.生き物に触れる場の減少

都会に限らず、農村でも子供は自然との触れ合いが少なくなっています。子供がホタルの飼育・観察などを通じ、生き物と触れ合う場を持つことは子供の実践的環境教育につながります。

 

9.ホタル伝統文化の衰退

ホタルは、初夏の風物詩であり、日本の伝統文化としての意義が大きい。しかし、最近ホタルを観賞する場が少なくなっています。ホタル観賞は多様化した人間社会に心の安らぎを与えることにつながります。ホタルは、昔から文芸作品、伝説、迷信、飲料水・食料品、飲食用器具、紙や布製品など身の回りに多く見られましたが、最近では日本の伝統文化としての価値が衰退しています。本活動の取り組みは、ホタル伝統文化の復興につながります。

 

10.里地里山の過疎化

若者が里地里山から都会に引っ越し、里地里山が過疎化しています。里地里山に生息するホタルを通した農村と都会の人々との交流イベントの開催は、里山の魅力を発信することにつながります。